給湯器の10年点検が必要かどうかを解説！しないとどうなる…？

給湯器の寿命は、一般的に約10年と言われています。使用を開始してから10年程度経過した給湯器はお湯が出るまで時間がかかったり、温度にバラつきが出るといった症状が現れることがあります。メーカーでも、設計標準使用期間を定めており、支障なく使用できる年数を約10年と設定しています。

今回は給湯器の10年点検は必要かどうか、に焦点を当て、「必要性や点検」をしないとどうなるか、点検にかかる費用などを解説します。

給湯器の10年点検とは？

給湯器の10年点検(法定点検)とは、経済産業省が定めた「長期使用製品安全点検制度」に基づく点検です。長い期間使用する事で、経年劣化が生じ、重大な事故に繋がる可能性がある為、それを防ぐ為に実施する事が責務とされています。給湯器の設計標準使用期間は製造から10年と定められている為、製造から10年前後で、一度は点検を受けなければなりません。

使用しているメーカーから、9～11年使用した時期に1回、点検の連絡がきて、所有者の合意の上で点検を実施する流れとなります。ちなみに、10年点検を受けなければ罰則があるわけではありません。経済産業省では、点検を受けなくても「行政処分は伴わない」としています。しかし、10年点検を受けなければ重大な事故や、故障のリスクが高まる為、必須で受けるべき点検といえるでしょう。

10年点検の必要性

10年点検の目的は重大事故の防止であり、燃焼状態を確認し、安全装置の不正改造や、施工不良による重大事故を未然に防ぐことです。10年を超えて使い続けると、経年劣化により事故の危険性が高まる事を意味します。過去に、設計標準使用期間を超え、点検をせずに使用した事で、火災やガス漏れによる爆発、一酸化炭素中毒などの事故が発生しています。

点検の時期は給湯器の寿命の時期でもあります。安全に給湯器を使用する為にも、点検を実施し、事前に異常があるかどうかを確認する必要があるのです。10年点検はメーカー側と所有者側の双方に対する「責務」ですので、重大な事故を起こさないためにも実施しましょう。

給湯器の法定点検の内容・費用

法定点検は、設置から9～11年経った給湯器を対象としています。購入時に利用者登録をしている場合、メーカーからハガキなどでお知らせが届きます。お知らせを受け取ったらメーカーや専門業者へ連絡し、点検を依頼しましょう。点検は専門的な知識が必要になる為、点検員資格制度に基づく有資格者が実施しなければなりません。

点検内容は、設置状況、配管漏れ、各機能の動作確認、詰まり、変色など、定められたチェック項目に従って行われ、点検後、結果の説明が行われます。機種や設置状況により異なりますが、約1時間程度の点検となります。点検費用は各メーカーによって異なりますが、10.000円程度になります。

法定点検をしないとどうなる？

10年以上使用し続けている給湯器は、お湯が出ない、点火しない、ガス漏れ、水漏れ、配管の損傷、不完全燃焼、ガス臭いなどといった症状が見られることがあります。それらの症状が見られる場合には、修理ではなく交換が必要になります。放置してしまうと、お風呂やキッチンのお湯が使用できなくなるだけでなく、火災や爆発など重大事故に繋がってしまう恐れもあります。

点検やメンテナンスを適切に行うことで、このようなリスクを減らす事ができます。10年を超えると、ガスや石油タイプは火災が起こりやすいというデータもあります。

また、10年経過したからといって、使用頻度により劣化具合は異なり、まだ使用できる場合もあります。「給湯器の状態は使用を続けても安全か」に関しては点検をしなければわかりません。10年という使用期間で判断するのではなく、法定点検を行い、「今の給湯器の状態」を確認するようにしましょう。